ゆず

後集101-120

後集114 心を広く持って、物事の本質を理解する

起 原文 心曠則萬鐘如瓦缶 心隘則一髪似車輪 心曠ければ、則ち万鐘も瓦缶の如く、心隘ければ、一髪も車輪に似たり 万鐘(ばんしょう)、鐘は升目の秤で、大禄;瓦缶(がふ)、土器の甕(かめ)。ほとぎ。「缶」は酒などを入れる腹部...
後集101-120

後集113 静かな環境、自然の中で、趣味に没頭

起 原文 登髙使人心曠 臨流使人意遠讀書於雨雪之夜 使人神清 舒嘯於丘阜之嶺 使人興邁 高きに登れば、人をして心曠からしむ、流れに臨めば、人をして意遠からしむ書を雨雪の夜に読めば、人をして神清からしむ、嘯を丘阜の嶺に舒ぶれば、...
後集101-120

後集112 小さな良さに気づくには、心を清く保つ

起 原文 雨餘觀山色 景象便覺新妍夜静聴鐘聲 音響尤為清越 雨余に山色を観れば、景象便ち新妍を覚ゆ夜静かに鐘声を聴けば、音響尤も清越と為す 雨余(うよ)、雨あがり;新妍(しんけん)、新鮮な美しさ 承 意訳 雨...
後集101-120

後集111 盛者必衰の理

起 原文 草木纔零落 便露萠穎於根底時序雖凝寒 終回陽氣於飛灰粛殺之中 生生之意 常為之主即是可以見天地之心 草木纔に零落すれば、便ち萠穎を根底に露す時序凝寒と雖も、終に陽気を飛灰に回す粛殺の中、生々の意、常に之が主となる即ち...
後集101-120

後集110 周囲の環境は、自分の心の持ち方次第

起 原文 機息時 便有月到風来 不必苦海人世心遠処 自無車塵馬迹 何須痼疾丘山 機息む時、便ち月に到り風来たる有り、必ずしも苦海の人世ならず心遠き処、自ら車塵馬迹無し、何ぞ痼疾の丘山を須いん 痼疾(こしつ)、久しく治らな...
後集101-120

後集109 自分を磨くことに専心する

起 原文 縄鋸木斷 水滴石穿学道者須加力索水到渠成 瓜熟蔕落得道者一任天機 繩鋸も木断ち、水滴も石穿つ道を学ぶ者は、須らく力索を加うべし水到ればに渠成り、瓜熟せば蔕を落つ道を得る者、一に天機に任す 繩鋸(じょうきょ)、つ...
後集101-120

後集108 前提となる価値観により、幸不幸は変化する

起 原文 人生福境禍区 皆念想造成故釋氏云利欲熾然 即是火坑 貪愛沈溺 便為苦海一念清浄 烈焔成池 一念警覺 船登彼岸念頭稍異 境界頓殊可不慎哉 人生の福境禍区は、皆念想より造成す故に釈氏云う「利欲の熾然ならば、即ち是れ火坑、...
後集101-120

後集107 無心になると、相手から近づいてくることもある

起 原文 興逐時来 芳草中撒履閒行 野鳥忘機時作伴景與心會 落花下披襟兀坐 白雲無語漫相留 興、時を逐いて来れば、芳草の中、履を撒いで閒行す、野鳥機を忘れて時に伴と作る景、心と会して、落花の下、襟を披いて兀坐す、白雲語を無く漫...
後集101-120

後集106 大自然に触れる時間を長くとる

起 原文 山居胸次清洒 觸物皆有佳思見孤雲野鶴 而起超絶之想 遇石澗流泉 而動澡雪之思撫老檜寒梅 而勁節挺立 侶沙鷗麋鹿 而機心頓忘若一走入塵寰 無論物不相関 即此身亦属贅旒夷 山居すれば、胸次清洒にして、物に触れて皆佳思有り...
後集101-120

後集105 目標 と 手段 を客観的に選択

起 原文 喜寂厭喧者 往往避人以求静不知 意在無人便成我相 心着於静便是動根如何到得人我一視 動静両忘的境界 寂を喜び喧を厭う者は、往々にして人を避けて以って静を求む意、人無きに在らば、便ち我相を成し、心、静に着せば、便ち是れ...
後集101-120

後集104 未熟な間は清い環境、自分が確立したら社会に還元

起 原文 把握未定 宜絶迹塵囂使此心不見可欲而不乱 以澄吾静體操持既堅 又當混迹風塵使此心見可欲而亦不乱 以養吾圓機 把握未だ定まざれば、宜しく迹を塵囂に絶つべし此の心を欲すべきを見ずして、乱れざらしめ、以って吾が静體を澄ます...
後集101-120

後集103 何事にも執着しない

起 原文 笙歌正濃処 便自払衣長往 羨達人撒手懸崕更漏已殘時 猶然夜行不休 咲俗士沈身苦海 笙歌正に濃やかなる処、便ち自ら衣を払いて長く往く達人の手を懸崕に撒ずるを羨む更漏已に残る時、猶然として夜行きて休まず俗士の身を苦海に沈...
後集101-120

後集102 相手に何かを伝える方法は、いろいろ

起 原文 心無其心 何有於觀釋氏曰觀心者 重増其障物本一物 何待於齊荘生曰齊物者 自剖其同 心に其の心無ければ、何ぞ観に有らん釈氏「心を観ず」と曰う者は、重ねて其の障を増す物は本一物なり、何ぞ斉しくするを待たん荘生「物を斉しく...
後集101-120

後集101 重要ではない事象に関しては、「接点なし」と割り切る

起 原文 田父野叟語以黄鶏白酒 則欣然喜 問以鼎養食 則不知語以藥袍裋褐 則油然樂 問以袞服 則不識其天全 故其欲淡 此是人生第一個境界 田父野叟は語るに黄鶏白酒を以ってすれば、則ち欣然として喜び、問うに鼎養を以ってすれば、則...
後集081-100

後集100 心静かに時の流れを楽しみたい

起 原文 風花之瀟洒 雪月之空清 唯静者為之主水木之栄枯 竹石之消長 獨閒者操其權 風花の瀟洒、雪月の空清、唯だ静者のみ、之が主と為る水木の栄枯、竹石の消長、独り閒者のみ、其の権を操る 瀟洒(しょうしゃ)、さっぱりときれ...
後集081-100

後集099 争いごとに一喜一憂するのは無駄です

起 原文 優人傅粉調硃 效妍醜於毫端 俄而歌殘場罷 妍醜何在弈者爭先競後 較雌雄於着子 俄而局盡子収 雌雄安在 優人、粉を傅け硃を調え、妍醜を毫端に效すも、俄にして歌残り、場罷めば、妍醜何ぞ在せん弈者、先を争い後を競い、雌雄を...
後集081-100

後集098 一歩さがって、全体を俯瞰する

起 原文 遇病而後思強之為寶 処乱而後思平之為福 非蚤智也倖福而知其為禍之本 貪生而先知其為死之因 其卓見乎 病に遇いて後に強の宝為るを思い、乱に処して後に平の福為るを思うは、蚤智に非ざるなり福を倖いて、其の禍いの本為るを知り...
後集081-100

後集097 生前も、死後も、人体は無 ⇒ 心楽しく過ごす

起 原文 試思未生之前有何象貌 又思既死之後作何景色則萬念灰冷 一性寂然 自可超物外游象先 試みに未だ生れざるの前は、何の象貌か有ると思い、又既に死するの後は、何の景色を作すかを思ふ則ち万念は灰冷し、一性は寂然として、自から物...
後集081-100

後集096 自分にも、周囲にも、悠々と

起 原文 幽人清事総在自適故酒以不勧為歓 棋以不浄為勝笛以無腔為適 琴以無絃為髙會以不期約為真率 客以不迎送為坦夷若一牽文泥迹 便落塵世苦海矣 幽人の清事は総て自適に在り故に酒は勧めざるを以って歓と為し、棋は争わざるを以って勝...
後集081-100

後集095 外見に囚われずに、本質を見つめる

起 原文 理寂則事寂遺事執理者 以去影留形心空則境空去境在心者 如聚羶却蚋 理寂なれば則ち事寂なり事を遺りて理を執する者は、影を去りて形を留むるに似たり心空なれば則ち境空なり境を去りて心を在する者は、羶を聚めて蚋を却くるが如し...
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