人生を楽しく生きるための知恵です。この世の中をどのように考えれば楽しくなるかという観点からの考察です。

後集108 前提となる価値観により、幸不幸は変化する
起 原文
人生福境禍区 皆念想造成故釋氏云利欲熾然 即是火坑 貪愛沈溺 便為苦海一念清浄 烈焔成池 一念警覺 船登彼岸念頭稍異 境界頓殊可不慎哉
人生の福境禍区は、皆念想より造成す故に釈氏云う「利欲の熾然ならば、即ち是れ火坑、...

後集099 争いごとに一喜一憂するのは無駄です
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優人傅粉調硃 效妍醜於毫端 俄而歌殘場罷 妍醜何在弈者爭先競後 較雌雄於着子 俄而局盡子収 雌雄安在
優人、粉を傅け硃を調え、妍醜を毫端に效すも、俄にして歌残り、場罷めば、妍醜何ぞ在せん弈者、先を争い後を競い、雌雄を...

後集097 生前も、死後も、人体は無 ⇒ 心楽しく過ごす
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試思未生之前有何象貌 又思既死之後作何景色則萬念灰冷 一性寂然 自可超物外游象先
試みに未だ生れざるの前は、何の象貌か有ると思い、又既に死するの後は、何の景色を作すかを思ふ則ち万念は灰冷し、一性は寂然として、自から物...

後集096 自分にも、周囲にも、悠々と
起 原文
幽人清事総在自適故酒以不勧為歓 棋以不浄為勝笛以無腔為適 琴以無絃為髙會以不期約為真率 客以不迎送為坦夷若一牽文泥迹 便落塵世苦海矣
幽人の清事は総て自適に在り故に酒は勧めざるを以って歓と為し、棋は争わざるを以って勝...

後集094 周囲に翻弄されず、主体性を持った生き方をする
起 原文
以我転物者 得固不喜 失亦不憂大地盡属逍遥以物役我者 逆固生憎 順亦生愛一毛便生纏縛
我を以って物を転ずる者は、得も固より喜ばず、失も亦憂へず大地は尽く逍遥に属す物を以って我を役する者は、逆は固より憎を生じ、順も亦愛...

後集092 ヒトと自然は一心同体、逆らわずにゆるりと過ごす
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當雪夜月天 心境便爾澄徹遇春風和氣 意界亦自沖融造化人心 混合無間
雪夜月天に当ては、心境便ち爾くち澄徹す春風和気に遇へば、意界も亦自ら沖融す造化人心、混合して間無し
澄徹(ちょうてつ)、完全に澄み渡る;沖融(...

後集089 外見的な美しさよりも、内面的な充実を大切にする
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斗室中 萬慮都捐 説甚画棟飛雲 珠簾捲雨三杯後 一真自得 唯知素琴横月 短笛吟風
斗室の中、万慮都て捐つれば、甚の画棟に雲を飛ばし、珠簾を雨に捲くを説かん三杯の後、一真を自得すれば、唯だ素琴を月に横たえ、短笛を風に吟...

後集085 俗世を楽しみながら、悟りを求める
起 原文
金自鉱出 玉従石生非幻無以求真道得酒中 仙遇花裡雖雅不能離俗
金は鉱より出で、玉は石より生ず幻に非ざれば、以って真を求むること無し酒中に道を得、花裡にて仙に遇う雅なりと雖も、俗を離るること能わず
花裡(かり)、...

後集084 心も、身体も、無の境地に
起 原文
人心有個真境 非絲非竹 而自恬愉不烟不茗 而自清芬須念浄境空 慮忘形釋纔得以游衍其中
人心、個の真境有り、絲に非ず、竹に非ず、而して自から恬愉す烟ならず、茗ならず、而して自から清芬たり須らく念浄く境空とし、慮りを忘れ...

後集080 人の心は変化しやすいもの
起 原文
飽諳世味 一任覆雨翻雲 総慵開眼會盡人情 随教呼牛喚馬 只是點頭
世味を飽くまで諳んずれば、覆雨翻雲に一任し、総て眼を開くに慵し人情を会し尽くせば、牛と呼び馬と喚ぶに、随教し、只是点頭す
世味(せみ)、この世の...

後集079 拘りや執着を持たないようにする
起 原文
烈士譲千乗 貪夫爭一文人品星淵也 而好名 不殊好利天子営家国 乞人号饔飧位分霄壤也 而焦思 何異焦聲
烈士は千乗を譲り、貪夫は一文を争ふ人品は星淵なり、而も名を好むは、利を好むに殊ならず天子は家国を営み、乞人は饔飧を...

後集076 旬を理解して、前向きな考え方をしよう
起 原文
伏久者 飛必髙 開先者 謝獨早知此 可以免蹭蹬之憂 可以消躁急之念
伏すこと久しき者は、飛ぶこと必ず高し、開くこと先なる者は、謝すること独り早し此れを知らば、以て蹭蹬の憂いを免るべく、以て躁急の念を消すべし
謝...

後集074 物欲を滅し、自分の生き方を素直に考える
起 原文
胸中既無半點物欲 已如雪消炉焔氷消日眼前自有一段空明 時見月在青天影在波
胸中既に半点の物欲無ければ、已に雪の炉焔に消え、氷の日に消ゆるが如し眼前自ら一段の空明有れば、時に月青天に在り、影波に在るを見る
半点(...

後集068 物塁を避けながら、楽しく生きていきたい
起 原文
魚得水逝 而相忘乎水鳥乗風飛 而不知有風識此可以超物累 可以樂天機
魚は、水を得て逝き、而も水に相忘る鳥は、風に乗りて飛び、而も風有るを知らず此を識らば、以て物累を超へ、以て天機を楽しむべし
逝(ゆ)き、泳ぎ回...

後集067 瓢々悠々の生活
起 原文
峩冠大帯之士 一旦睹輕蓑小笠飄飄然逸也 未必不動其咨嗟長筵廣席之豪 一旦遇疎簾浄几悠悠焉静也 未必不増其綣恋人奈何駆以火牛 誘以風馬 而不思自適其性哉
峨冠大帯の士、一旦、軽蓑小笠の飄々然として逸するを睹るや、未だ必...

後集066 穏やかさと慈愛の心を持つ
起 原文
心地上無風濤 随在皆青山緑樹性天中有化育 觸処見魚躍鳶飛
心地の上に風濤無ければ、在るに随いて、皆青山緑樹なり性天の中に化育有れば、処に触れて、魚躍り鳶飛ぶを見る
心地(しんじ)、心;風濤(ふうとう)、風と波;...

後集062 「永遠に何かが続くことはない」と悟る
起 原文
知成之必敗 則求成之心 不必太堅知生之必死 則保生之道 不必過勞
成の必ず敗るるを知れば、則ち成を求むる心、必ずしも太だ堅からず生の必ず死するを知れば、則ち生を保つの道、必ずしも過労ならず
承 意訳
成功...

後集060 あるがままの日常を楽しむ
起 原文
有一樂境界 就有一不樂的相對待有一好光景 就有一不好的相乗除只是尋常家飯 素位風光 纔是個安樂的窩巣
一の楽境界有れば、就ち一の不楽的の相対待する有り一の好光景有れば、就ち一の不好的の相乗除する有り只是れ尋常の家飯、...

後集053 無理に富を求めようとはせず、清貧の暮らしを楽しむ
起 原文
多藏者厚亡故知冨不如貧之無慮髙歩者疾顛故知貴不如賤之常安
多く蔵する者は、厚く亡ふ故に富は貧の慮り無きに如ざるを知る高く歩む者は、疾く顛る故に、貴は賤の常に安きに如かざるを知る
慮り、おもんばかり、心配;疾(は...

後集052 広い視野で長い時代の流れを感じながら
起 原文
欲其中者 波沸寒潭 山林不見其寂虗其中者 凉生酷暑 朝市不知其喧
其の中を欲にする者は、波、寒潭に沸き、山林もその寂を見ず其の中を虚にする者は、凉、酷暑に生じ、朝市も其の喧を知らず
寒潭(かんたん)、冷たく澄ん...