人間考察

後集121-134

後集129 表向きの地位や肩書にとらわれない

起 原文 淫奔之婦 矯而為尼熱中之人 激而入道清浄之門 常為婬邪之渕藪也如此 淫奔の婦は、矯して尼と為り熱中の人は、激して道に入る清浄の門、常に婬邪の渕藪と為るや、此の如し 淫奔(いんばく)、性関係でだらしのないこと;渕...
後集121-134

後集126 おいしい話の裏には・・・

起 原文 非分之福 無故之獲 非造物之釣餌 即人世之機妌此処着眼不髙 鮮不堕彼術中矣 分に非ざるの福、故無きの獲は、造物の釣餌に非ざれば、即ち人世の機妌なり此の処眼を着くること高からざれば、彼の術中に堕ちざること鮮し 釣...
後集121-134

後集121 周囲をどう感じるかは、自分の心次第

起 原文 世人為栄利纏縛 動曰塵世苦海不知雲白山青 川行石立 花迎鳥咲 谷答樵謳世亦不塵 海亦不苦 彼自塵苦其心爾 世人は栄利の為に纏縛せられて、動もすれば塵世苦海と曰う知らず、雲白く山青く、川行き石立ち、花迎え鳥咲い、谷答え...
後集101-120

後集110 周囲の環境は、自分の心の持ち方次第

起 原文 機息時 便有月到風来 不必苦海人世心遠処 自無車塵馬迹 何須痼疾丘山 機息む時、便ち月に到り風来たる有り、必ずしも苦海の人世ならず心遠き処、自ら車塵馬迹無し、何ぞ痼疾の丘山を須いん 痼疾(こしつ)、久しく治らな...
後集101-120

後集101 重要ではない事象に関しては、「接点なし」と割り切る

起 原文 田父野叟語以黄鶏白酒 則欣然喜 問以鼎養食 則不知語以藥袍裋褐 則油然樂 問以袞服 則不識其天全 故其欲淡 此是人生第一個境界 田父野叟は語るに黄鶏白酒を以ってすれば、則ち欣然として喜び、問うに鼎養を以ってすれば、則...
後集081-100

後集090 心に小さな輝きを

起 原文 萬籟寂寥中 忽聞一鳥弄聲 便喚起許多幽趣萬卉摧剥後 忽見一枝擢秀 便觸動無限生機可見 性天未常枯槁 機神最宜觸發 万籟寂寥の中、忽ち一鳥の弄聲を聞けば、便ち許多の幽趣を喚び起こす万卉推剥の後、忽ち一枝の擢秀を見れば、...
後集081-100

後集088 全ては心の持ちよう

起 原文 纏脱只在自心心了 則屠肆糟廛 居然浄土不然 縦一琴一鶴 一花一卉 嗜好雖清 魔障終在語云 能休塵境為真境 未了僧家是俗家信夫 纏脱は只自心に在り心了すれば、屠肆糟廛も居然たる浄土なり然らざれば、縦い一琴一鶴、一花一卉...
後集081-100

後集087 心の中を充実させる

起 原文 神酣 布被窩中 得天地冲和之氣味足 藜羹飯後 識人生澹泊之真 神酣なれば、布被の窩中に、天地冲和の気を得る味わい足れば、藜羹の飯後に、人生澹泊の真を識る 神(しん)酣(たけなわ)、精神が充実していること;布被(...
後集081-100

後集083 澄み切った心を持つ

起 原文 性天澄徹 即饑喰渇飲 無非康濟身心心地沈迷 縦談談禪演偈 総是播弄精魂 性天澄徹すれば、即ち饑えて喰し、渇きて飲むも、身心を康済するに非ざるは無し心地沈迷せば、例い禅を譚い、偈を演ぶるも、総て是れ精魂を播弄せん ...
後集081-100

後集081 あるがままを受け入れ続ける

起 原文 今人専求無念 而(念)終不可無只是前念不滞 後念不迎但将現在的随縁 打發得去 自然漸漸入無 今人専ら念無きを求めて、而も終に無かるべからず只是れ前念滞らず、後念迎へず但現在的の随縁を将て打発し得去れば、自然に漸々無に...
後集061-080

後集077 死ぬときには、あらゆるものが無用なもの

起 原文 樹木至歸根 而後知華萼枝葉之徒栄人事至葢棺 而後知子女玉帛之無益 樹木根に帰するに至って、而る後に華萼枝葉の徒栄なるを知る人事棺を蓋ふに至って、而る後に子女玉帛の無益なるを知る 華萼(かがく)、花、花のがく;子...
後集061-080

後集075 何かをするときは、どんな環境が適切かを考える

起 原文 詩思在灞陵橋上 微吟就 林岫便已浩然野興在鏡湖曲辺 獨往時 山川自相映發 詩思は灞陵橋の上に在り、微吟就るとき、林岫便ち已に浩然たり野興は鏡湖曲の辺りに在り、独り往く時、山川自ずから相映発す 灞陵橋(はりようき...
後集061-080

後集073 世俗的な欲望を捨て、自然と共に悠々と過ごす

起 原文 覊鎖於物欲 覺吾生之可哀夷猶於性真 覺吾生之可樂知其可哀 則塵情立破知其可樂 則聖境自臻 物欲に覊鎖すれば、吾が生の哀しむべきを覚ゆ性真に夷猶すれば、吾が生の楽しむべきを覚ゆ其の哀しむべきを知れば、則ち塵情は立ちどこ...
後集061-080

後集069 自分の中の価値観に従って悔いのない時間を過ごす

起 原文 狐眠敗砌 兎走荒台 盡是當年歌舞之地露冷黄花 煙迷衰草 悉属旧時爭戦之場盛衰何常 強弱安在念此令人心灰 狐敗砌に眠り、兎荒台を走る、尽く是れ当年の歌舞の地なり露黄花に冷やかで、煙は衰草に迷う、悉く旧時争戦の場に属す盛...
後集061-080

後集065 ヒトの心は変幻自在で、予測困難

起 原文 眼看西晉之荊榛 猶矜白刄身属北邙之狐兎 尚惜黄金語云 猛獣易伏 人心難降谿壑易塡 人心難滿信哉 眼に西晉の荊榛を看、猶白刄を矜る身は北邙の狐兎に属して、向黄金を惜む語云う、「猛獣は伏し易すく、人心は降し難し谿壑は塡め...
後集041-060

後集057 少し距離を置いた視点で自分を振り返る

起 原文 自老視少 可以消奔馳角逐之心自瘁視栄 可以絶紛華靡麗之念 老自り少を視れば、以て奔馳角逐の心を消すべし瘁自り栄を視れば、以て紛華靡麗の念を絶つべし 奔馳角逐(ほんちかくろう)、功名を駆け回り、追いかけること;紛...
後集041-060

後集056 貪欲と煩悩は表裏一体

起 原文 世人只縁認得我字太真故多種種嗜好 種種煩悩前人云 不複知有我 安知物為貴又云 知身不是我 煩悩更何侵真破的之言也 世人、只我の字を認め得ること太だ真なるに縁る故に種々の嗜好、種々の煩悩多し前人云う、「複我有ることを知...
後集041-060

後集054 穏やかで、風流な時間を楽しもう!

起 原文 讀易暁窓 丹砂研松間之露談経午案 寶磬宣竹下之風 易を暁窓に読みて、丹砂を松間の露に研く経を午案に譚りて、宝磬を竹下の風に宣ぶ 暁窓(ようそう)、静かな朝の窓辺;丹砂(たんさ)、朱墨;午案(ごあん)、午後;宝磬...
後集041-060

後集047 外見にとらわれずに、物事の本質を見極める

起 原文 一字不識 而有詩意者 得詩家真趣一偈不参 而有禪味者 悟禪教玄機 一字をも知らずして、而も詩意有る者は、詩家の真趣を得る一偈にも参せずして、而も禅味有る者は、禅教の玄機を悟る 詩意(しい)、詩心、詩情;一偈(い...
後集041-060

後集045 大自然を肌で感じ、芸術をゆっくりと鑑賞する

起 原文 徜徉於山林泉石之閒 而塵心漸息夷猶於詩書圖画之内 而俗氣潜消故 君子雖不玩物喪志 亦常借境調心 山林泉石の閒に徜徉して、而ち塵心漸く息む詩書図画の内に夷猶せば、而ち俗気潜かに消す故に君子、物を玩びて志を喪わずと雖も、...
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