後集056 貪欲と煩悩は表裏一体

後集041-060

起 原文

世人只縁認得我字太真
故多種種嗜好 種種煩悩
前人云 不複知有我 安知物為貴
又云 知身不是我 煩悩更何侵
真破的之言也

世人、只我の字を認め得ること太だ真なるに縁る
故に種々の嗜好、種々の煩悩多し
前人云う、「複我有ることを知らず、安んぞ物の貴きたることを知らん」
又云う、「身は是れ我ならざることを知らば、煩悩更に何ぞ侵さん」と
真に破的の言なり

承 意訳

世の中の人は、自分が自分が、と認められることに執着します

そのために、いろいろなことに興味を持ち、いろいろな煩悩に悩まされる

昔の人は言っています「自分という存在をちゃんと認識しないと、どうして周囲にある物の重要性を理解できようか」

またこうも言っています「自分の肉体は仮の姿であって自分そのものではないと理解すれば、煩悩に苦しむことはない」

本当に的を得た言葉です

転 別視点

自分が、自分が、と欲が張っている時期は、いろいろな煩悩に悩まされます。一方で、無欲になれば、煩悩とは縁遠くあります。若い時から、無欲であるのはなんとなく、若者らしくありません。

煩悩ウェルカムと考えられる元気さがあれば、欲を持っても楽しめるのかもしれません。

結 まとめ

貪欲と煩悩は表裏一体。煩悩に疲れたら、無欲の境地がお気楽です。

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