後集041-060

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後集060 あるがままの日常を楽しむ

起 原文 有一樂境界 就有一不樂的相對待有一好光景 就有一不好的相乗除只是尋常家飯 素位風光 纔是個安樂的窩巣 一の楽境界有れば、就ち一の不楽的の相対待する有り一の好光景有れば、就ち一の不好的の相乗除する有り只是れ尋常の家飯、...
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後集059 熱い心と冷静な視点を持つ

起 原文 熱閙中 着一冷眼 便省許多苦心思冷落処 存一熱心 便得許多真趣味 熱閙の中、一の冷眼を着くれば、便ち許多の苦心の思を省く冷落の処、一の熱心を存せば、便ち許多の真の趣味を得る 熱閙(ねつどう)、多事多忙、心が迷う...
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後集058 周囲の価値観に左右されず、自分の価値観を持つ

起 原文 人情世態 倐忽萬端 不宜認得太真堯夫云 昔日所云我 而今却是伊不知今日我又属後来誰人常作是觀 便可解却胸中罥矣 人情世態、倏忽万端、宜しく認め得て太だ真なるべからず堯夫云う、「昔日我と云う所、而今却って是れ伊(かれ)...
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後集057 少し距離を置いた視点で自分を振り返る

起 原文 自老視少 可以消奔馳角逐之心自瘁視栄 可以絶紛華靡麗之念 老自り少を視れば、以て奔馳角逐の心を消すべし瘁自り栄を視れば、以て紛華靡麗の念を絶つべし 奔馳角逐(ほんちかくろう)、功名を駆け回り、追いかけること;紛...
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後集056 貪欲と煩悩は表裏一体

起 原文 世人只縁認得我字太真故多種種嗜好 種種煩悩前人云 不複知有我 安知物為貴又云 知身不是我 煩悩更何侵真破的之言也 世人、只我の字を認め得ること太だ真なるに縁る故に種々の嗜好、種々の煩悩多し前人云う、「複我有ることを知...
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後集055 生活の中に大自然の要素を取り込もう

起 原文 花居盆内 終乏生機 鳥入籠中 便減天趣不若山間花鳥 錯雑成文 翺翔自若 自是悠然會心 花、盆内に居れば、終に生機に乏しく、鳥、籠中に入れば、便ち天趣を減ず若かず、山間の花鳥、錯雑して文を成し、翺翔自若、自ずから是れ悠...
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後集054 穏やかで、風流な時間を楽しもう!

起 原文 讀易暁窓 丹砂研松間之露談経午案 寶磬宣竹下之風 易を暁窓に読みて、丹砂を松間の露に研く経を午案に譚りて、宝磬を竹下の風に宣ぶ 暁窓(ようそう)、静かな朝の窓辺;丹砂(たんさ)、朱墨;午案(ごあん)、午後;宝磬...
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後集053 無理に富を求めようとはせず、清貧の暮らしを楽しむ

起 原文 多藏者厚亡故知冨不如貧之無慮髙歩者疾顛故知貴不如賤之常安 多く蔵する者は、厚く亡ふ故に富は貧の慮り無きに如ざるを知る高く歩む者は、疾く顛る故に、貴は賤の常に安きに如かざるを知る 慮り、おもんばかり、心配;疾(は...
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後集052 広い視野で長い時代の流れを感じながら

起 原文 欲其中者 波沸寒潭 山林不見其寂虗其中者 凉生酷暑 朝市不知其喧 其の中を欲にする者は、波、寒潭に沸き、山林もその寂を見ず其の中を虚にする者は、凉、酷暑に生じ、朝市も其の喧を知らず 寒潭(かんたん)、冷たく澄ん...
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後集051 肉体の衰えは嘆くよりは、今を楽しく生きよう

起 原文 髪落歯疎 任幻形之彫謝鳥吟花咲 識自性之真如 髪落ち歯疎らにして、幻形の彫識するに任せる鳥吟じ花咲いて、自性の真如を識る 幻形(げんけい)、幻しの肉体;彫識(ちょうしゃ)、しぼみ滅びる;自性(じしょう)、本性、...
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後集050 自分の価値観は大自然の摂理に反していないのか?

起 原文 人情聴鶯啼則喜 聞蛙鳴則厭見花則思培之 遇草則欲去之但是以形氣用事若以性天視之 何者非自鳴其天機 非自暢其生意也 人情は、鴬の啼くを聴けば則ち喜び、蛙の鳴くを聞けば則ち厭う花を見れば則ち之れを培わんことを思い、草に遇...
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後集049 あるがままを楽しむ日々是好日

起 原文 身如不繋之舟 一任流行坎止心似既灰之木 何妨刀割香塗 身は不繋の舟の如く、一に流行坎止に任す心は既灰の木に似ば、何ぞ刀割香塗を妨げん 不繋の舟、繋がざる舟;流行坎止(りゅうこうかんし)、流れては行き、淵に嵌って...
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後集048 周囲をどう感じるかは、自分の心の持ち方次第

起 原文 機動的 弓影疑為蛇蝎 寝石視為伏虎此中渾是殺氣念息的 石虎可作海鷗 蛙聲可當鼓吹 觸処倶見真機 機動く的は、弓影も疑いて蛇蝎と為し、寝石も視て伏虎と為す此中渾て是れ殺気なり念息む的は、石虎も海鷗と作し、蛙声も鼓吹に当...
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後集047 外見にとらわれずに、物事の本質を見極める

起 原文 一字不識 而有詩意者 得詩家真趣一偈不参 而有禪味者 悟禪教玄機 一字をも知らずして、而も詩意有る者は、詩家の真趣を得る一偈にも参せずして、而も禅味有る者は、禅教の玄機を悟る 詩意(しい)、詩心、詩情;一偈(い...
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後集046 秋の美しさを十分に満喫しよう!

起 原文 春日氣象繁華 令人心神駘蕩不若秋日雲白風清 蘭芳桂馥 水天一色 上下空明 使人神骨倶清也 春日は気象繁華なり、人をして心神駘蕩ならしむ秋日は雲白く、風清し、蘭芳しく桂馥い、水天一色、上下空明にして、人をして神骨倶に清...
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後集045 大自然を肌で感じ、芸術をゆっくりと鑑賞する

起 原文 徜徉於山林泉石之閒 而塵心漸息夷猶於詩書圖画之内 而俗氣潜消故 君子雖不玩物喪志 亦常借境調心 山林泉石の閒に徜徉して、而ち塵心漸く息む詩書図画の内に夷猶せば、而ち俗気潜かに消す故に君子、物を玩びて志を喪わずと雖も、...
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後集044 足るを知れば、穏やかな幸せがやって来る

起 原文 我不希栄 何憂乎利禄之香餌我不競進 何畏乎仕官之危機 我栄を希はざれば、何ぞ利祿の香餌を憂へん我進を競はずんば、何ぞ仕官の危機を畏れん 承 意訳 繁栄を望むことをやめれば、高報酬の誘惑には心動かされること...
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後集043 自分を含めたいろいろな事象を広い視野で観察する

起 原文 竹籬下 忽聞犬吠鶏鳴 恍似雲中世界芸窓中 雅聴蝉吟鴉噪 方知静裡乾坤 竹籬の下、忽ち犬吠え鶏鳴くを聞けば、恍として雲中の世界に似たり芸窓の内、雅に蝉吟き鴉噪ぐを聴けば、方に静裡の乾坤を知る 竹籬(ちくり)、竹垣...
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後集042 心も身体も余裕を持つように

起 原文 此身常放在閒処 栄辱得失 誰能差遺我此心常安在静中 是非利害 誰能瞞昧我 此の身 常に閒処に放在せば、栄辱得失 誰か能く我を差遺せん此の心 常に静中に安在せば、是非利害 誰か能く我を瞞昧せん 差遺(さけん)、公...
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後集041 活き活きと自分の人生を楽しむ

起 原文 出世之道 即在渉世中 不必絶人以逃世了心之㓛 即在盡心内 不必絶欲以灰心 出世の道は、即ち世を渉る中に在り、必ずしも人を絶ち以て世を逃れず了心の功は、即ち心を尽す内に在り、必ずしも欲を絶ち以て心を灰にせず 出世...
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