後集069 自分の中の価値観に従って悔いのない時間を過ごす

後集061-080

起 原文

狐眠敗砌 兎走荒台 盡是當年歌舞之地
露冷黄花 煙迷衰草 悉属旧時爭戦之場
盛衰何常 強弱安在
念此令人心灰

狐敗砌に眠り、兎荒台を走る、尽く是れ当年の歌舞の地なり
露黄花に冷やかで、煙は衰草に迷う、悉く旧時争戦の場に属す
盛衰何ぞ常あらん、強弱安くにか在る
此れを念へば、人心をして灰ならしむ

敗砌(はいせい)、壊れた石畳、敷き瓦の階段;荒台(こうだい)、荒れた高殿;歌舞(かぶ)、宮女が歌い舞った宮殿;黄花(おうか)、菊の花;衰草(すいそう)、枯草

承 意訳

狐は壊れた石畳に眠り、兎は荒れた高殿を走る、この荒れた風景は、その昔宮女が歌い舞った宮殿のあった場所です

露は菊の花を湿らし、霧は枯草の上をさまよう、この寂しい風景は、その昔派手な戦場であった場所です

栄枯盛衰は長く続くことはない、戦場での強者、弱者も存在しない

このようなことを考えると、人の心は灰のように味気なくなります

転 別視点

栄枯盛衰は長くは続かないどころか、一瞬の物語

「だからこそ、成功を目指すこと自体があまり意味がない」と割り切ってしまうと、熱い心が失われてしまうような感覚になります

世間での栄華よりは、自分の中の価値あるものに時間を割きたいという意味なのかもしれません

結 まとめ

人生は短い、自分の中の価値観に従って悔いのない時間を過ごしたい

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