後集106 大自然に触れる時間を長くとる

後集101-120

起 原文

山居胸次清洒 觸物皆有佳思
見孤雲野鶴 而起超絶之想 遇石澗流泉 而動澡雪之思
撫老檜寒梅 而勁節挺立 侶沙鷗麋鹿 而機心頓忘
若一走入塵寰 無論物不相関 即此身亦属贅旒夷

山居すれば、胸次清洒にして、物に触れて皆佳思有り
孤雲野鶴を見て、超絶の想いを起し、石澗流泉に遇て、澡雪の思いを動かす
老檜寒梅を撫して、勁節挺立し、沙鷗麋鹿を侶として、機心頓に忘る
若し一たび走って塵寰に入らば、物の相関せざるに論無く、即ち此の身亦贅旒に属す

山居(さんきょ)、山林の中に居住;胸次(きょうじ)、心の中;清洒(せいしゃ)、清らかでさっぱりする;佳思(かし)、趣き、興味深い;孤雲野鶴(こうんやかく)、一片の雲と野に立つ一羽の鶴;澡雪(そうせつ)、心の汚れを洗いすすぐ;勁節挺立(けいせつていりつ)、強い節操を以って、抜きんでる;沙鷗麋鹿(さおうびろく)、砂浜のカモメと野山のシカ;機心(きしん)、たくらみの企て;塵寰(じんか)、雑踏の俗世間;贅旒(ぜいりゅう)、無駄なもの、旗の末端

承 意訳

山林に居をかまえれば、胸中は清らかで、物に触れては全て興味深く感じます

一片の雲や一羽の鶴を見ると、俗世を超越した気持ちになり、岩石の多い谷川や泉の流れに出会えば、心が洗われる気持ちになれます

古い檜や寒中の梅に触れると、自分の節操が抜きんでている気持ちになり、砂浜の鴎や野山の鹿と戯れると妄念妄想を忘れます

もしも一たび俗世間に入ってしまったならば、自分と関係の有無に関わらず、巻き込まれて危険な目に会うでしょう

転 別視点

自然に触れると、心が清らかになります
競争のない世界だからでしょうか

俗世に嵌ると、身を削る場面が多くなります
人が多いと良いことはありません

結 まとめ

自然に触れる時間を長くとって、世俗に接するときは注意しましょう

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