前集145 人徳を積むには、大きな度量と広い見識が必須

前集141-160

起 原文

徳随量進 量由識長
故欲厚其徳 不可不弘其量
欲弘其量 不可不大其識

徳は量に随って進み 量は識に由って長ず
ゆえにその徳を厚くせんと欲せば その量を弘くせざるべからず
その量を弘くせんと欲せば その識を大にせざるべからず

随(したが)って、従って;弘(ひろ)い、広く、大きい

承 意訳

人徳というものはその人間の度量によって大きくなるもので、度量はその人物の見識によって増えていきます

そのために人徳を厚くしようとするならば、その度量を広くしないといけません

その度量を広くしようとするならば、その見識を大きくしないといけません

転 別視点

「呻吟語」(しんぎんご)(著者:呂坤(りょ こん)1536年 – 1618年)にも、見識と度量の重要性が記載されています。

当時の学者は自分を向上させる要素とは別に世間でもてはやされるテーマを見てはそこに注目し、世間が注目しないテーマを避けるような傾向があるが、これはしっかりした見識がないからと断罪しています。

また、自分に心地よい言葉は受け入れ、自分に都合の悪いことには腹を立てるが、これは度量が小さい証拠です。

結 まとめ

人徳を積むには、度量と見識が必須ということは、古典中国では何度も述べられているようです。

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