前集141-160

前集141-160

前集160 自分の長所には注意して気づくべきですが、自分の豊かさを周囲に自慢してはダメです

起 原文 前人云 抛却自家無盡藏 沿門持鉢効貧児又云 暴冨貧児休説夢 誰家竃裡火無烟一箴自眛所有 一箴自誇所有可為學問切戒 前人云う「自家の無尽蔵を抛却して、門に沿い鉢を持して貧児に効う」とまた云う「暴富の貧児、夢を説くことを...
前集141-160

前集159 一人ひとりが周囲に対して思いやりの”仁”の心を持つ

起 原文 心者後裔之根未有根不植而枝葉栄茂者 心ある者は、後裔の根なり未だ根植えずして、枝葉の栄茂する者有らざるなり 承 意訳 周囲を思いやる心は、子孫が幸せになるための根本的な部分となります 樹に例えればこ...
前集141-160

前集158 事業を立ち上げるときは、道徳的な発想を土台にする

起 原文 徳者事業之基未有基不固而棟宇堅久者 徳は事業の基なり未だ基固からずして、棟宇の堅久なる者有らざるなり 基(もとい)、基本、基礎;棟宇(とうじ)、棟(むね)と屋根。宇は軒下 承 意訳 道徳を基礎とした...
前集141-160

前集157 「私利私欲の人」や「他人を傷つける噂話」からは距離を置く

起 原文 交市人不如友山翁謁朱門不如親白屋聴街談巷語 不如聞樵歌牧詠談今人失徳過挙 不如述古人嘉言懿行 市人に交わるは、山翁を友とするに如かず朱門に謁するは、白屋に親しむに如かず街談巷語を聴くは、樵歌牧詠を聞くに如かず今人の失...
前集141-160

前集156 陰徳と見返りを期待しない恩恵を心がける

起 原文 謹徳須謹於至微之事施恩務施於不報之人 徳を謹むには、須らく至微の事を謹しむべし恩を施すには、務めて報ぜざるの人に施せ 謹む、あやまちや軽はずみなことがないように気をつける、慎重に実行する 承 意訳 ...
前集141-160

前集155 全盛の間に引退し、その後は周囲が引き受けたがらない職を引き受ける

起 原文 謝事當謝於正盛之時居身宜居於獨後之地 事を謝するには、当に正盛の時に謝すべし身を居くには、宜しく独後の地に居くべし 謝(しゃ)す、辞める、感謝しながら辞退する;独後の地、一人遅れて取り残された地、即ち人と争わな...
前集141-160

前集154 外面的な節義や行動よりも、内面的な自分の徳性を磨くことを重視する

起 原文 節義傲青雲 文章髙白雪 若不以徳性陶鎔之 終為血氣之私 技能之末 節義青雲に傲り、文章白雪よりも高きも、若し徳性を以て之を陶鎔せざれば、終に血気の私、技能の末と為る 節義、人としての正しい道をかたく守ること;青...
前集141-160

前集153 誰かに何かをしてほしいときは、相手が理解するまでゆっくりと待つ忍耐が必要

起 原文 事有急之不白者 寛之或自明毋躁急以速其忿人有操之不従者 縦之或自化毋操切以益其頑 事、之れを急にして白らかならざる者有り、之を寛にせば、或いは自ら明らかならん躁ぎ急ぎを以て其の忿りをまねくこと毋れ人、之を操りて従わざ...
前集141-160

前集152 些細なことであっても、慎重に状況を判断する

起 原文 有一念而犯鬼神之禁 一言而傷天地之和 一事而醸子孫之禍者最宜切戒 一念にして鬼神の禁を犯し、一言にして天地の和を傷り、一事にして子孫の禍いを醸す者有り最も宜しく切に戒しむべし 承 意訳 ほんの少しの思い付...
前集141-160

前集151 雑念を消し、苦痛を取り除けば、清い心と楽しさが自然と沸き上がります

起 原文 水不波則自定 鑑不翳則自明故心無可清去其混之者而清自現樂不必尋去其苦之者而樂自在 水波たたざれば則ち自から定まり、鑑は翳らざれば、おのずから明らかなり故に心は清くすべき無し其の之を混らす者を去って、清自ずから現わる楽...
前集141-160

前集150 世渡りには、周囲に対する思いやりと機転の利いた行動が重要

起 原文 作人無點真懇念頭 便成個花子 事事皆虗渉世無段圓活機趣 便是個木人 處處有碍 人となるに点の真懇の念頭無ければ、便ち個の花子となり、事々皆虚なり世を渉るに段の円活の機趣無ければ、便ち是れ個の木人なり、処々に碍り有り ...
前集141-160

前集149 ピンチとチャンスは千変万化、正しいと信じた道を歩む

起 原文 魚網之設 鴻則罹其中蟷螂之貪 雀又乗其後機裡藏機 變外生變智巧何足恃哉 魚網の設くる、鴻則ち其の中に罹る蟷螂の貪るや、雀又、其の後に乗ず機裡に機を蔵し、変外に変を生ず智巧何ぞ恃むに足らんや 鴻(おおとり)、雁よ...
前集141-160

前集148 一時期の地位や財産は意味がなく、代々継続する思考回路をこそ重宝すべき

起 原文 事業文章 随身銷毀 而精神萬古如新㓛名冨貴 逐世転移 而氣節千載一日君子信不當以彼易此也 事業文章は、身に随いて銷毀す 而も精神は万古に新たなるが如し功名富貴は、世を逐いて転移す 而も気節は千載一日なり君子、信に、当...
前集141-160

前集147 徳を積むためには、自分を常に反省する謙虚さが必要

起 原文 反己者 觸事皆成薬石尤人者 動念即是戈矛一以闢衆善之路 一以濬諸悪之源相去霄壤矣 己れを反みる者は、事に触れて皆薬石と成る人を尤むる者は、念を動かせば即ち是れ戈矛なり一を以って衆善の路を闢き、一を以って諸悪の源を濬く...
前集141-160

前集146 静かな夜に、一人で自分の心と向きあう時間を大切にする

起 原文 一燈螢然 萬籟無聲此吾人初入宴寂時也暁夢初醒 群動未起此吾人初出混沌處也乗此而一念廻光 烱然返照始知耳目口鼻皆桎梏 而情欲嗜好悉機械矣 一燈蛍然として 万籟声無し此れ吾人初めて宴寂に入るの時なり暁夢初めて醒め 群動未...
前集141-160

前集145 人徳を積むには、大きな度量と広い見識が必須

起 原文 徳随量進 量由識長故欲厚其徳 不可不弘其量欲弘其量 不可不大其識 徳は量に随って進み 量は識に由って長ずゆえにその徳を厚くせんと欲せば その量を弘くせざるべからずその量を弘くせんと欲せば その識を大にせざるべからず ...
前集141-160

前集144 指導者たるものは、冷静な視点を持ち、信念は簡単に曲げない

起 原文 君子宜當浄拭冷眼慎勿輕動剛腸 君子は宜しく当に冷眼を浄拭すべし慎しんで軽々しく剛腸を動かす勿れ 浄拭(じょうしょく)、キレイに拭うこと;剛腸(ごうちょう)、精神などが強くたくましいこと 承 意訳 君...
前集141-160

前集143 「利益には近づき、不利益には離れる」これが一般的な人情です

起 原文 饑則附 飽則颺 燠則趨 寒則棄人情通患也 饑うれば則ち附き、飽けば則ち颺り 燠なれば則ち趨り、寒ければ則ち棄つ人情の通患なり 附く、ある物・人と触れる、または離れない状態になる;颺(あが)る、ひるがえる;燠(あ...
前集141-160

前集142 自分に可能な方法で、積極的に社会貢献に携わろう

起 原文 士君子貧 不能濟物者遇人痴迷處 出一言提醒之遇人急難處 出一言解救之亦是無量㓛徳 士君子貧にして 物を濟うこと能わざる者なり人の癡迷の処に遇へば 一言を出して之を提醒し人の急難の処に遇へば 一言を出してこれを解救す亦...
前集141-160

前集141 失敗や苦労は周囲と共感可能、自分の幸福はあまり披露にしないようにする

起 原文 當與人同過 不當與人同㓛同㓛則相忌可與人共患難 不可與人共安樂安樂則相仇 当に人と過ちを同じくすべし 当に人と功を同じくすべからず功を同じくすれば、則ち相忌む人と患難を共ともにすべし 人と安楽を共にすべからず安楽なれ...
PAGE TOP