後集067 瓢々悠々の生活

後集061-080

起 原文

峩冠大帯之士 一旦睹輕蓑小笠飄飄然逸也 未必不動其咨嗟
長筵廣席之豪 一旦遇疎簾浄几悠悠焉静也 未必不増其綣恋
人奈何駆以火牛 誘以風馬 而不思自適其性哉

峨冠大帯の士、一旦、軽蓑小笠の飄々然として逸するを睹るや、未だ必ずしも其の咨嗟を動かさずんばあらず
長筵広席の豪、一旦、疎簾浄几の悠々焉として静かなるに遇えば、未だ必ずしも其の綣恋を増さずんばあらず
人、奈何んぞ駆るに火牛を以てし、誘うに風馬を以てし、而して其の性に自適するを思わざるや

峨冠大帯(がかんだいたい)、高い冠と幅の広い帯、高位高官の礼服;軽蓑小笠(けいさしょうぜん)、軽い蓑と小さな笠、平民の普通の服装;逸する、気楽に過ごす;咨嗟(しさ)、声を出して嘆く;長筵広席(ちょうえんこうせき)、長いムシロと広い敷物、豪華なこと;疎簾浄几(それんじょうき)、目の粗いすだれとシンプルな机;綣恋(けんれん)、羨み、恋慕う;

承 意訳

高位高官の人は、軽装の平民が瓢々と気楽に時を過ごす姿をみると、声を出して嘆くほど羨ましく感じます

豪華な暮らしをしている富豪は、竹すだれの横の小さな机で悠々と本を読んでいる姿をみると、こんな風に時を過ごしたいと憧れます

人間は、どうして馬車馬のように功を求めて働くのか、やりたいように過ごせばいいのにね

転 別視点

瓢々と、悠々と、時を過ごしたいという願望は多くの人が持っています。でもそうしない理由は、不安なのかと考えます。

周囲に合わせて、アクセクしないと、経済的な面を中心に生きていけないという恐怖があります。壮年期を十分に働いた世代で、貯蓄があればそのような道を選ぶ人も実際には存在します。ただ、財を成す人は財を増やすことにも執着しますので、瓢々悠々の生活を過ごせる人は一握りの人のみとなります。

結 まとめ

瓢々悠々の生活を過ごしたい!

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