前集169 俗世間を楽しみながら、習俗の汚れに染まらないようにする

前集161-180

起 原文

能脱俗便是竒
作意尚竒者 不為竒而為異
不合汚便是清
絶俗求清者 不為清而為激

能く俗を脱すれば、便ち是れ奇なり
作意に奇を尚ぶ者は、奇と為さずして異と為す
汚に合せざれば、便ち是れ清なり
俗を絶って清を求むる者は、清と為さずして激と為す

尚ぶ(たっとぶ)、重んじる

承 意訳

上手に世俗を脱すれば、それはとても珍しいこと(奇特なこと)です

わざと奇をてらうことを重視する者は、ただの変な人になります

世俗に入りても、それに合流することがなければ、それは清いことです

世俗との交流を絶って”清”であることを求める者は、清とは言えず過激なだけです

転 別視点

俗世間で人生を楽しみながらも、自分を保ち、清い生き方ができることが素晴らしい

俗世間自体を遠ざけてしまうことは自己満足となってしまい、本当に素晴らしいわけではないということです。周囲に与える影響がなければ、その人の存在意義さえなくなります。

「無人島で賄賂をもらうことなく、一人で暮らす」よりも、「お金・賄賂が幅を利かせる業界で賄賂に接することなく信念を貫く」ほうが清い生き方ということは感覚として納得できます。

結 まとめ

俗世間と接点を持ちながら(楽しみながら)、道徳的な生き方を保ち、習俗の汚れに染まらない生き方ができることが素晴らしい

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