前集177 自己には厳しく・対外的には穏和で、しかし悪人には油断しないように

前集161-180

起 原文

士君子 處權門要路 操履要嚴明 心氣要和易
毋少随而近腥羶之党 亦毋過激而犯蜂蠍之毒

士君子、権門要路に処れば、操履は厳明なるを要し、心気は和易なるを要す
少しく随うて腥羶の党に近づく毋れ、亦過激にして蜂蠍の毒を犯す毋れ

権門要路(けんもんようろ)、官位が高く権勢がある家、重要な地位や職務;操履(そうり)、日頃の志や行ない;心気(しんき)、心持ち;和易(わい)、のんびりとして静かな様子;腥羶(せいせん)、汚らわしいこと;蜂蠍(ほうたい)、はちとさそり。小さくて恐ろしいもののたとえ

承 意訳

君子たるものは、官位が高いときは、日頃の行いは厳正であり、心意気は穏やかであるようにすべきです

心の汚れた輩に少しでも近づいてはいけないし、また蜂やサソリの毒のような小人につけこまれるような油断をしてはいけません

転 別視点

指導的立場にある人は、自分の身には厳正さを保ち、対外的には穏やかであるべきと同時に、悪い奴らには用心しなさいという意味です。

対外的に穏やかであれば、それにつけこもうとする輩が多いのは事実ですが、穏やかであることとダメなものはダメとピシりとすることは別の次元ということです。

周囲の状況が見えて、かつ心に余裕がないと、上手な対応は難しそうです。周囲から少し距離を置いて、客観的に俯瞰する視点があると素晴らしいです。

結 まとめ

指導的立場にある人は、自分自身は厳正な姿勢で、対外的には穏やかで、かつ悪い奴らには用心しましょう。

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