前集016 利益は分相応のみを得る。修行は分相応以上に取り組む。

前集001-020

起 原文

寵利毋居人前 徳業毋落人後
受享毋踰分外 修為毋減分中

寵利は人の前に居ることなかれ、徳業は人の後に落つることなかれ。
受享は分外にこゆることなかれ、修為は分中に減ずることなかれ。

承 意訳

他人から利益を得るときは、我先にと率先するような見苦しいことをしてはいけません。逆に、徳を積む行いには、人から妨げられても進んで実行し、他人に遅れてはいけません。

名誉や利益を得るときは、その分相応を超えないように得る配慮が必要です。逆に、学問の修行や道徳の実行は、分相応以上に積極的に取り組むべきです。

転 別視点

利益を得るときは、我先にと出ていくことは、利益に拘り過ぎていることを示しています。自分の働き以上に利益を得ることは、周囲からのひずみを生み出します。いずれにせよ、結果的には楽しく生きることと逆になってしまいます。

徳を積む行いは、自分にとっては一見楽ではない行動に見えることもあります。学問や修行も同じく一見地味な取り組みに見えます。しかしながら、長期的には周囲との調和性が増します。

結 まとめ

利益は分相応にして、それ以上は他人に譲ります。修行は分相応以上に取り組みます。長期的にはそれが周囲との調和につながります。

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