人間考察

前集161-180

前集171 自分の本性を知るには、心を静かにして、考えを整理整頓する

起 原文 心虗則性現不息心而求見性 如撥波覓月意浄則心清不了意而求明心 如索鏡增塵 心虚なれば、則ち性現ず心を息めずして性を見んことを求めば、波を撥いて月を覓むるが如し意浄ければ、則ち心清し意を了ぜずして心を明らかにせんことを...
前集161-180

前集166 道徳の実践に励み、守銭奴にはならないように

起 原文 勤者敏於徳義而世人借勤 以濟其貧儉者淡於貨利而世人假 儉以飾其吝君子持身之符 反為小人営私之具矣惜哉 勤なる者は徳義に敏む而して世人は勤を借りて以て其の貧を済う倹なる者はは貨利に淡し而して世人は倹を仮りて以て其の吝を...
前集161-180

前集162 信用する人間は信用され、不誠実な人間は不誠実な対応をされます

起 原文 信人者 人未必盡誠 己則獨誠矣疑人者 人未必皆詐 己則先詐矣 人を信ずる者は、人未だ必ずしも尽く誠ならざるも、己則ち独り誠なり人を疑う者は、人未だ必ずしも皆詐らざるも、己則ち先ず詐れり 承 意訳 世の中の...
前集141-160

前集160 自分の長所には注意して気づくべきですが、自分の豊かさを周囲に自慢してはダメです

起 原文 前人云 抛却自家無盡藏 沿門持鉢効貧児又云 暴冨貧児休説夢 誰家竃裡火無烟一箴自眛所有 一箴自誇所有可為學問切戒 前人云う「自家の無尽蔵を抛却して、門に沿い鉢を持して貧児に効う」とまた云う「暴富の貧児、夢を説くことを...
前集141-160

前集157 「私利私欲の人」や「他人を傷つける噂話」からは距離を置く

起 原文 交市人不如友山翁謁朱門不如親白屋聴街談巷語 不如聞樵歌牧詠談今人失徳過挙 不如述古人嘉言懿行 市人に交わるは、山翁を友とするに如かず朱門に謁するは、白屋に親しむに如かず街談巷語を聴くは、樵歌牧詠を聞くに如かず今人の失...
前集141-160

前集146 静かな夜に、一人で自分の心と向きあう時間を大切にする

起 原文 一燈螢然 萬籟無聲此吾人初入宴寂時也暁夢初醒 群動未起此吾人初出混沌處也乗此而一念廻光 烱然返照始知耳目口鼻皆桎梏 而情欲嗜好悉機械矣 一燈蛍然として 万籟声無し此れ吾人初めて宴寂に入るの時なり暁夢初めて醒め 群動未...
前集141-160

前集143 「利益には近づき、不利益には離れる」これが一般的な人情です

起 原文 饑則附 飽則颺 燠則趨 寒則棄人情通患也 饑うれば則ち附き、飽けば則ち颺り 燠なれば則ち趨り、寒ければ則ち棄つ人情の通患なり 附く、ある物・人と触れる、または離れない状態になる;颺(あが)る、ひるがえる;燠(あ...
前集141-160

前集141 失敗や苦労は周囲と共感可能、自分の幸福はあまり披露にしないようにする

起 原文 當與人同過 不當與人同㓛同㓛則相忌可與人共患難 不可與人共安樂安樂則相仇 当に人と過ちを同じくすべし 当に人と功を同じくすべからず功を同じくすれば、則ち相忌む人と患難を共ともにすべし 人と安楽を共にすべからず安楽なれ...
前集121-140

前集140 奸悪を退治する際は、逃げ道を一本残すようにする

起 原文 鋤奸杜倖 要放他一条去路若使之一無所容 譬如塞鼠穴者一切去路都塞盡 則一切好物倶咬破矣 奸を鋤き、倖を杜ぐには、他の一条の去路を放たんことを要す若し之をして一も容るる所無からしめば、譬えば鼠穴を塞ぐが者の如し一切の去...
前集121-140

前集139 人徳は才能よりも上位に位置 ⇒ 徳を磨くことに重点をおく

起 原文 徳者才之主 才者徳之奴有才無徳 如家無主而奴用事矣幾何不魍魎猖狂 徳は才の主 才は徳の奴才あって徳なきは 家に主なくして奴事を用いるが如し幾何が魍魎にして猖狂せざらん 魍魎(もうりょう)、水の神。山や川に住む化...
前集121-140

前集128 一個人も、社会全体も、自然の法則に則れば理想の世界になる

起 原文 吾身一小天地也使喜怒不愆 好悪有則 便是燮理的㓛夫天地一大父母也使民無怨咨 物無氛疹 亦是敦睦的氣象 我が身は一の小天地なり喜怒をして愆らす、好悪をして則有らしめば、すなわち是れ燮理的の工夫なり天地は一大父母なり民を...
前集101-120

前集119 心が燃えているときこそ、冷静な心が必要

起 原文 當恕火慾水正騰沸處 明明知得 又明明犯着知的是誰 犯的又是誰此處能猛然転念 邪魔便為真君矣 恕火慾水の正に騰沸する処に当り、明明に知得し、また明明に犯着す知る的は是れ誰ぞ、犯す的は又是れ誰ぞ此の処よく猛然として念を転...
前集101-120

前集118 流行に流されず、世間を俯瞰する客観性を持つ

起 原文 驚竒喜異者 無遠大之識苦節獨行者 非恒久之操 奇に驚き、異を喜ぶ者は、遠大の識無し苦節独行の者は、恒久の操に非ず 苦節独行、自分一人だけが苦境に立って異常なまでに節義を守ること 承 意訳 奇怪なこと...
前集101-120

前集102 文章や人間の品格は(一流の域に達したならば)自然の状態に任せることができる

起 原文 文章做到極處 無有他竒只是恰好人品做到極處 無有他異只是本然 文章極処になし到れば、他の奇有ること無し只だ是れ恰好人品極処になし到れば、他の異有ること無し只だ是れ本然 恰好(かっこう)、ちょうど似つかわしいさま...
前集081-100

前集100 富貴叢中に育った者は、清貧の心を持つべし

起 原文 生長冨貴叢中的 嗜欲如猛火 權勢似烈焔若不帯些清冷氣味 其火焔不至焚人 必将自爍矣 富貴叢中に生長する的は、嗜欲は猛火の如く、権勢は烈焔に似たりもしその清冷の気味を帯びざれば、その火焔、人を焼くに至らざれば、必ずや将...
前集081-100

前集099 逆境は人間を育て、順境は人間をダメにする

起 原文 居逆境中 周身皆鍼砭薬石 砥節礪行而不覺處順境内 滿前盡兵刄戈矛 銷膏靡骨而不知 逆境の中に居れば、周身皆鍼砭薬石、節を砥ぎ行いを磨いて覚えず順境の内に処れば、満前悉く兵刄戈矛、膏を銷し骨を靡して知らず 鍼砭薬...
前集081-100

前集097 周囲の世界をどう感じるかは自分の心の中次第

起 原文 此心常看得圓滿 天下自無欠陥之世界此心常放得寛平 天下自無険側之人情 この心 常に看得て円満ならば、天下自ずから欠陥の世界なからんこの心 常に放ち得て寛平ならば、天下自ずから険側の人情なからん 圓滿(えんまん)...
前集081-100

前集094 今の幸せは先祖に感謝、子孫の幸福には責任を持つ

起 原文 問祖宗之徳澤 吾身所享者是當念其積累之難問子孫之福祉 吾身所貽者是要思其傾覆之易 祖宗の徳澤を問わば、吾が身に享くる所のもの是なりまさに其の積累の難きを念ふべし子孫の福祉を問わば、吾が身にのこす所のもの是なり其の傾覆...
前集081-100

前集093 その人の行動 = その人の価値

起 原文 平民肯種徳施惠 便是無位的公相士夫徒貪權市寵 竟成有爵的乞人 平民あえて徳を植え恵を施こさば、すなわち是れ無位的の公相なり士夫いたずらに権を貪りて寵をうらば、ついに有爵的の乞人となる 無位的公相、位のない王公宰...
前集081-100

前集092 人の価値は後半生で決まる

起 原文 聲妓晩景従良 一世之胭花無碍貞婦白頭失守 半生之清苦倶非語云看人只看後半截真名言也 声妓も晩景に良に従えば、一世の胭花障りなし貞婦も白頭に守を失えば、半生の清守ともに非なり語に云う「人を看るには、只だその後半截を看よ...
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