前集101-120

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前集120 禁戒四箇条:偏信、自己過信、優越感、嫉妬

起 原文 毋偏信而為奸所欺毋自任而為氣所使毋以己之長而形人之短毋因己之拙而忌人之能 偏信して、奸に欺かるることなかれ自任して、気に使わるることなかれ己の長を以て、人の短をあらわすことなかれ己の拙に因って、人の能を忌むことなかれ...
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前集119 心が燃えているときこそ、冷静な心が必要

起 原文 當恕火慾水正騰沸處 明明知得 又明明犯着知的是誰 犯的又是誰此處能猛然転念 邪魔便為真君矣 恕火慾水の正に騰沸する処に当り、明明に知得し、また明明に犯着す知る的は是れ誰ぞ、犯す的は又是れ誰ぞ此の処よく猛然として念を転...
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前集118 流行に流されず、世間を俯瞰する客観性を持つ

起 原文 驚竒喜異者 無遠大之識苦節獨行者 非恒久之操 奇に驚き、異を喜ぶ者は、遠大の識無し苦節独行の者は、恒久の操に非ず 苦節独行、自分一人だけが苦境に立って異常なまでに節義を守ること 承 意訳 奇怪なこと...
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前集117 組織のトップは、時代を先読みする努力が必要

起 原文 衰颯的景象 就在盛滿中發生的機緘 即在零落内故君子 居安宜操一心以慮患處變當堅百忍以圖成 衰颯的の景象は、すなわち盛満の中に在り発生的の機緘は、すなわち零落の内に在り故に君子は、安きに居ては宜しく一心を操って以って患...
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前集116 素晴らしい才能、清廉潔白な心得は、周囲に隠すように

起 原文 藏巧於拙 用晦而明寓清之濁 以屈為伸真渉世之一壷 藏身之三窟也 巧を拙に蔵し、晦を用いて而して明らかにし清を濁によせ、屈を以って伸と為す真に世を渉るの一壷、身を蔵すの三窟なり 蔵し、かくすこと、人に見せぬこと;...
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前集115 相手に対する恩恵は、相手がどう受け取るか次第

起 原文 千金難結一時之歓一飯竟致終身之感葢愛重反為仇 薄極翻成喜也 千金も一時の歓を結び難たく一飯もついに終身の感を致すけだし、愛重ければ反つて仇となり、薄極まつて翻て喜びを成す 承 意訳 大金を恵んでもその場限...
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前集114 英雄は、小事を大切に、陰徳を積み、強いハートを持つ

起 原文 小處不滲漏 暗中不欺隠 末路不怠荒纔是個真正英雄 小処滲漏せず、暗中欺隠せず、末路怠荒せずわずかに是れ個の真正の英雄なり 滲漏(しんろう)、液体が外ににじみ出ること;末路、人生のどん底のような状態;怠荒(たいこ...
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前集113 身内の異変には慌てず、周囲への諫言は機を逸しないように

起 原文 處父兄骨肉之變 宜従容 不宜激烈遇朋友交游之失 宜剴切 不宜優游 父兄骨肉の変に処しては、宜しく従容なるべく、激烈なるべからず朋友交遊の失に遇いては、宜しく剴切なるべく、優遊なるべからず 父兄骨肉、父母や兄弟の...
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前集112 周囲に媚を売ることなく、自分の信念を貫く

起 原文 曲意而使人喜 不若直躬而使人忌無善而致人譽 不若無悪而致人毀 意を曲げて人をして喜ばしむるは、躬を直して人をして忌ましむるに若かず善無くして人の誉を致すは、悪無くして人の毀を致すに若かず 躬(み)、自ら、身体;...
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前集111 一瞬の私利私欲が生涯に汚点を残す

起 原文 公平正論 不可犯手一犯則貽羞萬世權門私竇 不可着脚一着則點汚終身 公平正論は手を犯すべからず一たび犯せば則ち羞じを萬世にのこす権門私竇は脚を着くべからず一たび着くれば則ち終身の點汚す 私竇(しとう)、竇は穴、私...
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前集110 公儀、旧交、陰徳を大切にして、堅実に過ごす

起 原文 市私恩不如扶公儀結新知不如敦旧好立栄名不如種隠徳尚竒節不如謹庸行 私恩を市るは公儀を扶くるに如かず新地を結ぶは旧好をあつくするに如かず栄名を立つるは隠徳を種うるに如かず奇節をたっとぶは庸行を謹むに如かず 市る(...
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前集109 充実した日々であっても、日々我が行動を振り返る

起 原文 老来疾病 都是壮時招的衰後罪糵 都是盛時作的故持盈履滿 君子尤兢兢焉 老来の疾病は、すべて是れ壮時に招く的なり衰後の罪糵は、すべて是れ盛時になす的なり故に盈を持し満を履むは、君子尤も兢兢たり 罪糵(ざいげつ)、...
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前集108 対立する2つの要素は常に表裏一体

起 原文 怨因徳彰故使人徳我 不若徳怨之両忘仇因恩立故使人知恩 不若恩仇之倶泯 怨みは徳に因ってあらわる故に人をして我れを徳とせしむるは徳怨ふたつながら忘るるに若かず仇は恩に因って立つ故に人をして恩を知らしむるは、恩仇のともに...
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前集107 人生は有限、一瞬一瞬を大切に過ごす

起 原文 天地有萬古 此身不再得人生只百年 此日最易過幸生其間者 不可不知有生之樂亦不可不懐虗生之憂 天地に万古あれども、この身は再び得られず人生は只だ百年、この日最も過ぎ易し幸いにこの間に生まるる者は、有生の楽しみを知らざる...
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前集106 心の中は自由自在、実際の行動は熟考を重ねて

起 原文 士君子 持身不可輕輕則物能撓我 而無悠閒鎮定之趣用意不可重重則我為物泥 而無瀟洒活溌之機 士君子、身を持するには軽々しくすべからず軽々しくすれば則ち物よく我れを撓めて、悠閒鎮定の趣なし意を用いるには重々しくすべからず...
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前集105 他人の悪事は忘却し、美点は記憶する

起 原文 不責人小過 不發人陰私 不念人旧悪三者可以養徳 亦可以遠害 人の小過を責めず、人の陰私を発かず、人の旧悪を念はず三者を以て徳を養うべく、また以て害に遠ざかるべし 陰私、人に言えない後ろめたいこと;発く、あばく;...
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前集104 美味しいもの、楽しいことは、腹五分目くらいに

起 原文 爽口之味 皆爛腸腐骨之薬五分便無殃快心之事 悉敗身喪徳之媒五分便無悔 爽口の味は、皆爛腸腐骨の薬なり五分なれば、すなわち禍いなし快心の事は、悉く敗身喪徳の媒なり五分なれば、すなわち悔いなし 爽口(そうこう)、さ...
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前集103 功名富貴からの束縛から自由になり、自分の本心を見直す

起 原文 以幻迹言 無論㓛名冨貴 即肢體亦属委形以真境言 無論父母兄弟 即萬物皆吾一體人能看得破 認得真 纔可任天下之負担 亦可脱世間之韁銷 幻迹を以て言えば、功名富貴を論ずるなく、即ち肢体もまた委形に属す真境を以て言えば、父...
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前集102 文章や人間の品格は(一流の域に達したならば)自然の状態に任せることができる

起 原文 文章做到極處 無有他竒只是恰好人品做到極處 無有他異只是本然 文章極処になし到れば、他の奇有ること無し只だ是れ恰好人品極処になし到れば、他の異有ること無し只だ是れ本然 恰好(かっこう)、ちょうど似つかわしいさま...
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前集101 心に至誠を持てば、どんなことでも成し遂げられます

起 原文 人心一真 便霜可飛 城可隕 金石可貫若偽妄之人 形骸徒具 真宰已亡對人側面目可憎 獨居則形影自媿 人心の一たび真なれば、すなわち霜飛ばすべく、城おとすべく、金石つらぬくべし偽妄の人のごときは、形骸徒に具わるも、真宰は...
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