前集115 相手に対する恩恵は、相手がどう受け取るか次第

前集101-120

起 原文

千金難結一時之歓
一飯竟致終身之感
葢愛重反為仇 薄極翻成喜也

千金も一時の歓を結び難たく
一飯もついに終身の感を致す
けだし、愛重ければ反つて仇となり、薄極まつて翻て喜びを成す

承 意訳

大金を恵んでもその場限りの歓心さえも得ることができないこともあります

逆にたった一回の食事であっても一生恩を感じることがあります

愛情も重すぎればかえって仇となり、愛情が薄くてもそれはそれで喜ばれることもあります

転 別視点

相手に対する恩恵は、そこに愛がこもっているか否かで、その受け取り方が異なるという意味かと早合点してしまいそうですが、そうではありません。

こちらの考え方とは関係なく、相手がどう受け取るかにかかっているということです。大きすぎる愛情は相手にとって負荷になることがあり、淡白な愛情でも相手にはほどよく感じることもあります。

最近のパワーハラスメント、セクシャルハラスメントと同じで、こちらに相手を思いやる気持ちの有無とは関係なく、全ては「相手の受け取り方次第」ということです。この考え方は比較的新しいと思っていましたが、古代中国から存在した考え方のようです。

結 まとめ

相手に対する恩恵は、こちらの考え方とは関係なく、相手がどう受け取るかにかかっています。

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