前集042 富貴や名誉よりは、自分の信じる正しい道を歩む

前集041-060

起 原文

彼冨我仁 彼爵我義
君子固不為君相所牢籠
人定勝天 志一動氣
君子亦不受造物之陶鋳

彼は富、我れは仁、彼は爵、我れは義
君子もとより君相の為に牢籠せられず
人定まって天に勝ち、志一なれば気を動かす
君子また造物の陶鋳を受けず

君相、君主宰相;牢籠(ろうろう)、牢獄の牢とかご、苦境に立つこと;陶鋳、陶は粘土を固めて瀬戸物を作ること。鋳は金をを鋳型に溶かし込んで器物を作ること

承 意訳

他人の富貴をもって我に対峙したのであれば、我れは仁という天徳を以てこれに対峙します。人が爵位を以て我れに対峙したのであれば、我れは道義という天爵を以てこれに対峙します。

君子が固より君主や宰相のために苦境に立つことはありません。

人が志を堅く定めれば自然の力にも打ち勝ちます。志を一つにして努力すればその気質も変化します。

君子は、造物者(天の神様)のために型に入れられることはなく、寧ろ自然の運命をも自らコントロールします。

転 別視点

富貴や爵位という人が心を動かす要素には、仁義を以て対峙すればそんなものは何の意味もなしません。自分の信じる価値観に従って、自分の道を歩むことの重要性が説かれています。

人の上に立つ君子はさらに上のレベルを期待されます。即ち天の神様にさえ、型にはめられることなく、自分の意思を自在にコントロールします。

自分の信じる価値観は、宗教を越えることもアリなのかもしれません。

結 まとめ

豊かさや名誉などよりは、正しい道を歩むことの方が重要です。人の心が安定すれば、何事にも動ずることなく、信念に従って生きることができます。

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