前集041 君子たる者は、濃艶過ぎても、淡泊過ぎてもダメです

前集041-060

起 原文

念頭濃者 自待厚 待人亦厚 處處皆濃
念頭淡者 自待薄 待人亦薄 事事皆淡
故君子 居常嗜好 不可太濃艶 亦不宜太枯寂

念頭こまやかなる者は、自ら待つこと厚く、人を待つこともまた厚く、処々皆こまやかなり
念頭淡き者は、自ら待つこと薄く、人を待つこともまた薄く、事々皆淡し
故に君子は居常嗜好、はなはだ濃艶なるべからず、また宜しくはなはだ枯寂なるべからず

念頭、こころ、心頭;處處(しょしょ)、至るところ;事事、全てのこと;居常、つね

承 意訳

心念のこまやかで入念な者は、自分を扱う際にも手厚いが、他人に対しても手厚いものです。そして至るところ手厚くて容易周到です。

これとは対照的に、心念の淡泊で無頓着な者は、自分の身に対しても手厚くしませんが、他人に対しても無頓着な扱いをします。全てのことに対してあっさりとして深く心配りをしません。

君子たる者は、普段の嗜好が最も大切で、余りに濃艶ではダメだし、余りに淡泊で無味乾燥なのも良くありません。濃淡の中庸が君子の守るべき道です。

転 別視点

人間の性格は、どんな状況でも大きな変化はないということです。自分に対して細かい人は、他人に対しても同じような態度をとります。

自分には寛大で、他人には厳しい人もときどき存在するとの反論もありそうです。しかしながら、自分に対しても、他人に対しても、自利損他という考えは共通しています。その考えを細かく実施するか、大雑把なのかも共通します。自利利他を細かくても良いように思いますが、やっぱりほどほどが適切なのでしょう。

結 まとめ

君子たる者は、普段のたしなみが最も大切で、余りに濃厚ではダメだし、余りに淡泊でも良くありません。濃淡の中庸が君子の守るべき道です。

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