前集182 不遇の憂き目にあっても、忍耐を持ち、大局から自分の立ち位置を判断する

前集181-200

起 原文

語云 登山耐側路 踏雪耐危橋
一耐字極有意味
如傾険之人情 坎坷之世道 若不得一耐字撑持過去 幾何不堕入榛莾坑塹哉

語に云う、「山に登りては脇路に耐へ、雪を踏んでは危橋に耐ふ」と
一の耐の字、極めて意味有り
傾険の人情、坎坷の世道の如き、若し一の耐の字を得て、撑持し過ぎ去らんずば、幾何ぞ榛莾坑塹に堕入せざらんや

傾険(けいけん)、性質がひねくれて陰険なこと;坎坷(かんか)、うまく行かないこと;撑持(とうじ)、支え保つこと;幾何ぞ、いかんぞ;榛莾坑塹(しんぼうこうざん)、いばらの藪、穴と濠

承 意訳

古い言葉にあります「山を登る際には、傾斜の険しい道に耐え、雪道では危険な橋で落ちないように耐えなさい」と

”耐”の一文字が極めて意味を持ちます

意地悪な人情でも、うまく行かないときでも、”耐”の一文字を心に持ち、耐え忍ぶことができれば、藪に入ったり、穴に落ちたりすることはなくなります

転 別視点

長い人生なので、自分の行動とは関係ない不本意な人情に出会うこともあるし、全くうまく行かないこともあります。そんなときに投げやりになって、放り出してしまってはいけません。忍耐を持って、本来あるべき姿を維持します。そうすれば、長期的には穴に落ちる(ドツボにはまる)ことは減ります。

人間関係がうまく行かない、仕事で失敗したとき、やけになって仕事を辞めたけど、後々後悔したという話はよく聞きます。でも同じくらい、忍耐の末に心を壊した(うつ病になった)という話も聞きます。

結 まとめ

物事がうまく行かないときでも、適度な忍耐を持って、大局から自分の立ち位置を観察することが必要です。

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