前集021 身近な人と笑顔で楽しく語り合う日常を大切にする

前集021-040

起 原文

家庭有個眞佛 日用有種眞道
人能誠心和氣 愉色婉言 使父母兄弟間 形骸兩釋 意氣交流 勝於調息觀心萬倍矣

家庭個の真仏有り、日用種の真道あり
人よく誠心和気、愉色婉言(ゆしょくえんげん)、父母兄弟の間をして形骸二つながら解け、意気交々(こもごも)流れしめば、調息観心に勝ること万倍なり

調息觀心、呼吸を整え、自分の心を観察することで、工夫された座禅修行の一つ。

承 意訳

家庭の中には一つの真の仏様が存在し、日々の行いの中にも仏の道が存在します。

人々が誠実で、和らいだ心を持ち、常に笑顔で愉快な表情で、父母兄弟で仲良く過ごせば、真の仏様が顕れ、座禅修行よりもはるかに大きな意味を持ちます。

転 別視点

1600年前後の中国においては、儒教、仏教、道教の三教が人々の間に根付いていました。

儒教は、紀元前の中国にて孔子を始祖とします。その考えは「論語」にまとめられます。仏教は、紀元前5世紀頃にお釈迦様が始祖です。道教は、中国で自然発生した様々な信仰を基盤とした不老長生を主張する神仙思想です。洪自誠は、三教にとても通じていたと言われています。

仏教も大切な教えの一つでした。もちろん座禅修行は大きな意味を持っています。

家庭の中、日常の中にも、常に仏様を意識して、身近な人と仲良くすることが重要で、それは座禅修行にも勝るほどです。

結 まとめ

誠実に笑顔で楽しく語り合い、家族の間に壁を作らず、気持ちを通わせることが出来たなら、それは座禅修行より何万倍も意味があります。

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