前集081-100

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前集100 富貴叢中に育った者は、清貧の心を持つべし

起 原文 生長冨貴叢中的 嗜欲如猛火 權勢似烈焔若不帯些清冷氣味 其火焔不至焚人 必将自爍矣 富貴叢中に生長する的は、嗜欲は猛火の如く、権勢は烈焔に似たりもしその清冷の気味を帯びざれば、その火焔、人を焼くに至らざれば、必ずや将...
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前集099 逆境は人間を育て、順境は人間をダメにする

起 原文 居逆境中 周身皆鍼砭薬石 砥節礪行而不覺處順境内 滿前盡兵刄戈矛 銷膏靡骨而不知 逆境の中に居れば、周身皆鍼砭薬石、節を砥ぎ行いを磨いて覚えず順境の内に処れば、満前悉く兵刄戈矛、膏を銷し骨を靡して知らず 鍼砭薬...
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前集098 周囲との調和を保ちながら、自分の主義主張を実践

起 原文 澹泊之士 必為濃艶者所疑撿飾之人 多為放肆者所忌君子處此 固不可少變其操履 亦不可太露其鋒芒 淡白の士は、必ず濃艶の者のために疑われ検飾の人は、多く放肆の者のために忌まる君子これに処して、固より少しもその操履を変ずべ...
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前集097 周囲の世界をどう感じるかは自分の心の中次第

起 原文 此心常看得圓滿 天下自無欠陥之世界此心常放得寛平 天下自無険側之人情 この心 常に看得て円満ならば、天下自ずから欠陥の世界なからんこの心 常に放ち得て寛平ならば、天下自ずから険側の人情なからん 圓滿(えんまん)...
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前集096 家人の過失には、穏やかに諭すように忠告する

起 原文 家人有過 不宜暴怒 不宜輕棄此事難言 借他事隠諷之今日不悟 俟来日再警之如春風解凍 如和氣消氷 纔是家庭的型範 家人過ち有らば、宜しく暴怒すべからず、宜しく軽棄すべからず此の事言い難ければ、他事を借りて隠に之を諷せよ...
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前集095 学問を修めた人は、高い徳で行動すべき

起 原文 君子而詐善 無異小人之肆悪君子而改節 不及小人之自新 君子にして善を詐るは、小人の悪をほしいままにするに異なるは無し君子にして節を改むるは、小人の自ら新たにするに及ばず 改節、節操(自分の信じる主義・主張)を変...
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前集094 今の幸せは先祖に感謝、子孫の幸福には責任を持つ

起 原文 問祖宗之徳澤 吾身所享者是當念其積累之難問子孫之福祉 吾身所貽者是要思其傾覆之易 祖宗の徳澤を問わば、吾が身に享くる所のもの是なりまさに其の積累の難きを念ふべし子孫の福祉を問わば、吾が身にのこす所のもの是なり其の傾覆...
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前集093 その人の行動 = その人の価値

起 原文 平民肯種徳施惠 便是無位的公相士夫徒貪權市寵 竟成有爵的乞人 平民あえて徳を植え恵を施こさば、すなわち是れ無位的の公相なり士夫いたずらに権を貪りて寵をうらば、ついに有爵的の乞人となる 無位的公相、位のない王公宰...
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前集092 人の価値は後半生で決まる

起 原文 聲妓晩景従良 一世之胭花無碍貞婦白頭失守 半生之清苦倶非語云看人只看後半截真名言也 声妓も晩景に良に従えば、一世の胭花障りなし貞婦も白頭に守を失えば、半生の清守ともに非なり語に云う「人を看るには、只だその後半截を看よ...
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前集091 節義を守る貞節の士には福来る

起 原文 貞士無心徼福天即就無心處牖其衷嶮人着意避禍天即就着意中奪其魄可見天之機權最神人之智巧何益 貞士は福をもとむるに心なし天はすなわち無心の処に就いてその衷を開く嶮人は禍を避くるに意をつく天はすなわち着意の中に就いてその魄...
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前集090 不遇な環境であっても、常に「前向き」に生きる

起 原文 天薄我以福 吾厚吾徳以迓之天勞我以形 吾逸吾心以補之天阨我以遇 吾亨吾道以通之天且奈我何哉 天我を薄するに福を以ってせば、吾れ吾が徳を厚くして以って之をむかえ天我を労するに形を以ってせば、吾れ吾が心を逸して以って之を...
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前集089 善行をするときは、純粋な気持ちで

起 原文 舎己毋處其疑處其疑 即所舎之志多愧矣施人毋責其報責其報 併所施之心倶非矣 己を捨ててその疑いを処することなかれその疑いを処すればすなわち捨つる所の志多く愧づ人に施してはその報を責ることなかれその報を責れば捨つる所の心...
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前集088 逆境の中で得られる「心」こそ真の「心」

起 原文 静中静非真静動處静得来 纔是性天之真境樂處樂非真樂苦中樂得来 纔見心體之真機 静中の静は真の静にあらず動処に静を得来たって、わずかに是れ性天の真境なり楽処の楽は真の楽にあらず苦中に楽を得来たって、わずかに心體の真機を...
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前集087 雑念を払い、静かな環境で自分の心を観察する時間を持つ

起 原文 静中念慮澄徹 見心之真體閒中氣象従容 識心之真機淡中意趣冲夷 得心之真味觀心証道 無如此三者 静中の念慮澄徹なれば、心の真體を見る間中の気象従容なれば、心の真機を識る淡中の意趣冲夷なれば、心の真味を得る心を観、道をさ...
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前集086 間違いに気づいたならば、すぐに方針を修正する

起 原文 念頭起處 纔覺向欲路上去 便挽従理路上来一起便覺 一覺便転此是転禍為福 起死回生的関頭切莫輕易放過 念頭起こる処、わずかに欲路上に向かって去ることを覚らば、すなわち挽いて理路上より来たせ一たび起こってすなわち覚り、一...
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前集085 人生は有限! ⇒ 勤勉に正々堂々と生きる

起 原文 閒中不放過 忙處有受用静中不落空 動處有受用暗中不欺隠 明處有受用 閒中に放過せざれば、忙処に受用あり静中に落空せざれば、動処に受用あり暗中に欺隠せざれば、明処に受用あり 放過、うっかりと心を放ってぼんやりと過...
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前集084 不遇の境地になっても、質実剛健に生きる

起 原文 貧家浄払地 貧女浄梳頭 景色雖不艶麗 氣度自是風雅士君子 一當窮愁寥落 奈何輙自癈弛哉 貧家浄く地を払い、貧女浄く頭を梳れば、景色艶麗ならずといえども、気度自ら是れ風雅なり士君子一たび窮愁寥落にあたって奈何ぞすなわち...
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前集083 理想的な行動でも「過ぎたるは及ばざるがごとし」

起 原文 清能有容 仁能善斷明不傷察 直不過矯是謂蜜餞不甜 海味不鹹 纔是懿徳 清にしてよく容るること有り、仁よく断を善くす明は察を傷つけず、直にして矯に過ぎず是を蜜餞甘からず、海味鹹ならずという、わずかに是れ懿徳なり ...
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前集082 物事の対処には、静動のメリハリをつける

起 原文 風来疎竹 風過而竹不留聲雁度寒潭 雁去而潭不留影故君子 事来而心始現 事去而心随空 風疎竹に来る、風過ぎて竹声を留めず雁寒潭をわたる、雁、去りて潭、影を留めず故に君子、事来りて心始めて現れ、事去りて心随って空し ...
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前集081 完璧を求めず、中庸の道を歩む

起 原文 氣象要髙曠 而不可疎狂心思要縝密 而不可瑣屑趣味要冲淡 而不可偏枯操守要嚴明 而不可激烈 気象は髙曠なるを要す、しかも疎狂なるべからず心思は縝密なるを要す、しかも瑣屑なるべからず趣味は冲淡なるを要す、しかも偏枯なるべ...
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