前集123 心の中は、緩急両者をバランス良く保つ

前集121-140

起 原文

念頭昏散處 要知提醒
念頭喫緊時 要知放下
不燃恐去昏昏之病 又来憧憧之擾矣

念頭昏散の処は、提醒を知らんことを要す
念頭喫緊の時は、放下を知らんことを要す
しからざれば、恐らくは昏昏の病を去って、また憧憧の擾を来さん

念頭、心、胸のうち;昏散、暗くして散漫なこと;提醒(ていせい)、引き上げて呼び醒ますこと;喫緊、心が引き締まっていること;放下、投げおろすこと。投げ捨てること;昏昏の病、心が暗くなる病;憧憧、行ったり来たりするさま、揺れ動くさま;擾(ゆう)、乱れ、煩い

承 意訳

心の中がぼんやりして注意散漫なときは、しっかりと気持ちを呼び戻して覚醒させる必要があります

心の中が引き締まって緊張しているときは、少しゆったりする必要があります

そうでなければ、心が暗くなるうつ病のような状態となり、それが去ったと思えば、決心がつかずあっちこっちに心が動くような状態になってしまいます

転 別視点

ぼーっとしているばかりでは、ダメだし、緊張した状態ばかりでもダメです。人間の精神状態は、穏やかさと緊張の両者をバランス良く持つことが必要です。

「昏昏之病」は現在のうつ病の手前の「うつ状態」に近いと推測されます。なんとなく疲れてぼーっとしている状態です。そんな状態から脱却できても、心の緩急を使い分けなければ何も決められない「病的な優柔不断状態」になってしまいます。病的な優柔不断状態はうつ症状の一つなのかもしれません。結局は心を病むということです。

結 まとめ

心の中は、緩急両者をバランス良く保つ必要があります。そうでないと心の病に罹患してしまいます。

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