前集053 過度な期待をすると、必ず裏切られる

前集041-060

起 原文

人之際遇 有齊有不齊 而能使己獨齊乎
己之情理 有順有不順 而能使人皆順乎
以此相觀對治 亦是一方便法門

人の際遇は、ひとしき有り、ひとしからざる有り、しかも能く己をして独りひとしからしめんか
己の情理は、順なる有り、順ならざる有り、しかも能く人をして皆順ならしめんか
此れを以て相観對治せば、また是れ一の方便法門なり

際遇、境遇、置かれている立場;齊、等しい、揃う;情理、精神状態;相觀對治(そうかんたいじ)、互いに相対して均衡をとって治め行くこと;方便法門、手段、方法の意味

承 意訳

人の境遇というものは色々あって、いろいろなものが揃っていたり、そうでなかったりします。そうであるならば、自分一人だけ全て不足のないように揃えようとしてもできるものではありません。

自分の精神状態は、あるときは道理にかなうこともあれば、道理にかなわないこともあります。自分でさえ思い通りにはならないのが普通ですから、他人に(自分が思うように)道理に従わせることは到底できません。

それ故、自分と他人の関係をよく考えて互いに均衡を保って治めて行くということは、大切な一つの手段と言えます。

転 別視点

人の境遇にはいろいろあるので、自分だけが最上級に恵まれていることを期待してもそれは無理。

自分でさえ、理に適わない行動をしてしまうことがあり、他人も同じです。

自分も、他人も、両極端な境遇や行動は難しく、期待することはできません。結局は中庸之道を歩むことになります。ならば、初めから中庸之道を望んで歩めば、精神的に満足感で満たされるかもしれません。

期待が大きいと必ず裏切られます!

結 まとめ

人間は両極端な生き方はできません。周囲にうまく対応するには、自分と他人の関係をよく考えて、互いにバランスをとりながら行動することが大切です。

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