前集050 他人には寛大さと厳格さ両者で臨機応変に対応

前集041-060

起 原文

處治世宜方 處乱世宜圓
處叔季之世 當方圓並用
待善人宜寛 待悪人宜嚴
待庸衆之人 當寛嚴互在

治世に処するには宜しく「方」なるべく、乱世に処するには宜しく「円」なるべく
叔季の世を処するには、当に方円並び用うべし
善人を待するには宜しく「寛」なるべく、悪人を待するには宜しく「厳」なるべく
庸衆の人を待するには、当に寛厳互いに存すべし

治世、泰平の世;叔季、四人兄弟の伯仲叔季は、 年長の順に伯、仲、叔と呼び、末弟を季という。末の2人のこと;庸衆(ようしゅう)、普通の人

承 意訳

泰平の世に当たっては、何事も方正でキチンとしているのが宜しいが、乱世の時代には臨機応変に円く対応するのが良いでしょう

最近のような末の世の場合は、則ち泰平でもなく、乱世ともいえない時代においては、キチンとした「方」と臨機応変の「円」を適宜利用するべきです

これと同じ道理で、善人を待遇するには寛大に、悪人を待遇するには厳しくします

普通の人を待遇するときは、あるときは寛大にあるときは厳格にと互いに並び用いるべきです

転 別視点

世の中への対応は、方円を使い分けます。方のみでは疲れるし、円のみでは収拾がつきません。人への態度も同じで、原則は善人には寛大で、悪人には厳格なのですが、純粋な善人も純粋な悪人もなかなか存在するものではありません。状況に応じて寛厳両者を併用します。

世の中には完全に白黒はっきりしているものはありません。そうなると自分がとるべき態度も白黒はっきりさせるのはダメで、中庸を実践するのが無難とする考えです。

元気な若者には「なんだかなあ~」との感想が聞こえてきます。でも、波乱万丈の人生を歩んだ世代の人には「確かに!」と納得できそうです。

結 まとめ

普通の世の中には方円両者を使い分けます。普通の人には、寛厳両者を互いに使います。極端ではなく、中庸の対応を実践します。

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